事業承継(会社の相続)に関する解説と対策

事業承継(会社の相続)に関する解説と対策

中小企業や家業を営む会社を次の世代に引き継ぐ「事業承継」は、相続の中でも特に複雑で計画的な対応が求められる分野です。

適切な準備を行わないと、経営権や財産分配を巡るトラブル、相続税の負担増などのリスクが発生します。

以下では、事業承継の基本知識やスムーズに進めるためのポイント、具体的な対策について解説します。

1. 事業承継(会社の相続)とは?

事業承継とは、会社や事業を次の世代に引き継ぐ手続きのことを指します。主に以下の3つの資産が承継対象となります。

(1) 経営権

  • 株式や持分の所有権(中小企業の場合、創業者やその家族が株式の大半を保有することが多い)
  • 取締役や代表取締役の地位

(2) 事業用資産

  • 不動産(工場、店舗、オフィスなど)
  • 動産(設備、車両など)
  • 営業権や商標権などの無形資産

(3) 経営ノウハウ

  • 業界での信用や顧客基盤、取引先との関係性
  • 創業者や現経営者が有する専門知識や経験

2. 事業承継における課題

事業承継には、次のような課題が伴います。

(1) 相続税・贈与税の負担

  • 株式や事業用資産は高額になることが多く、相続税や贈与税の負担が大きい。

(2) 相続人間のトラブル

  • 特定の相続人(例:長男)が事業を承継する場合、他の相続人が不公平感を抱きやすい。

(3) 後継者の選定

  • 後継者に事業運営の能力や意欲が不足している場合、承継後の経営が難しくなる。

(4) 債務保証の引き継ぎ

  • 中小企業では、現経営者が個人保証をしているケースが多い。後継者が保証を引き継ぐ必要がある。

3. 事業承継の具体的な方法

事業承継には、大きく分けて次の3つの方法があります。

(1) 親族内承継

  • 現経営者の子どもや親族が事業を引き継ぐ方法。

メリット

  • 家族の意思を継ぎやすい。
  • 株式や資産の管理が一族内で完結する。

デメリット

  • 相続税負担が大きい。
  • 後継者の能力や意欲が不十分な場合、経営が不安定になる。

(2) 親族外承継

  • 社員や外部の第三者に事業を引き継ぐ方法。

メリット

  • 経営能力の高い人物を選べる。
  • 適任者が親族内にいない場合の選択肢となる。

デメリット

  • 社員や第三者に株式を譲渡する際に、信頼関係や条件調整が難しい。
  • 創業家の意向が反映されにくい。

(3) M&A(売却による承継)

  • 事業や会社を外部企業に売却することで承継する方法。

メリット

  • 現経営者が退職後の資金を得られる。
  • 業界内の大手企業に吸収されることで事業が安定する。

デメリット

  • 創業者一族が経営から離れることになる。
  • 交渉や条件調整が複雑。

4. スムーズな事業承継のためのポイント

(1) 後継者の早期選定と育成

  • 適任者を早めに選び、業務を通じて経営ノウハウを引き継ぎます。
  • 後継者候補が未経験の場合、外部研修や専門家の指導を活用するのも有効です。

(2) 遺言書や信託の活用

遺言書 会社の株式や事業資産を誰に引き継がせるかを明確に記載します。
家族信託 信頼できる家族に事業資産の管理を託す方法で、認知症などのリスクにも対応可能です。

(3) 税制優遇制度の活用

事業承継では、国が提供する税制優遇措置を利用することで税負担を軽減できます。

代表的な制度
  • 事業承継税制: 株式や事業資産の相続・贈与時に、一定の条件を満たせば納税が猶予または免除される。
  • 小規模宅地等の特例: 事業用宅地の相続税評価額を最大80%減額。

(4) 財産と負債の整理

  • 会社の財産や借入金、保証人の状況を正確に把握し、リスクを最小限に抑える計画を立てます。

(5) 相続人間の公平性を確保

  • 後継者が事業資産を相続する一方で、他の相続人に現金や保険金を分配するなど、相続分のバランスを取る工夫をします。

5. 事業承継における注意点

(1) 税務リスクへの対応

  • 税制優遇制度の要件を満たさない場合、想定外の相続税が発生することがあります。

(2) 経営者保証の解除

  • 後継者に負担を残さないため、金融機関との交渉を通じて保証解除を目指します。

(3) トラブル防止

  • 相続人間での争いや従業員との摩擦を防ぐため、透明性のある計画を立てることが重要です。

6. 弁護士に依頼するメリット

事業承継は、相続と経営の知識が必要なため、弁護士のサポートを受けることで以下のメリットがあります。

【1】事業承継計画の策定

  • 後継者の選定や財産分割の方法を法律に基づいて提案します。

【2】税制優遇の活用支援

  • 税理士と連携し、事業承継税制などを最大限に活用します。

【3】遺言書や信託の作成

  • 法的に有効な遺言書や家族信託契約を作成します。

【4】トラブル防止と解決

  • 相続人間の紛争や従業員との摩擦を防ぐための調整を行います。

【5】保証人問題の解消

  • 金融機関との交渉を通じて、後継者の保証人負担を軽減します。

7. 当事務所が提供するサポート内容

当事務所では、事業承継に関して次のようなサポートを提供しています。

  • 事業承継計画の策定: 法的・税務的観点から最適な計画を提案します。
  • 後継者の選定支援: 適任者の選定や育成のアドバイスを行います。
  • 税制優遇の利用: 事業承継税制や相続税軽減措置の活用をサポートします。
  • 遺言書・信託契約の作成: 家族間のトラブルを防ぐための法的文書を作成します。
  • 保証人問題の解決: 債務保証や負担軽減の交渉を代行します。

8. まとめ

事業承継は、会社の未来を守るための重要なプロセスです。早めに計画を立て、専門家のサポートを受けることで、スムーズな承継と相続トラブルの防止が可能です。

「事業承継を検討している」「相続税や経営権が不安」などお悩みがある方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

経験豊富な弁護士が最適な解決策を提案し、安心して事業を引き継げるよう全力でサポートいたします。

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