遺留分は相続人が法律で保証された最低限の取り分ですが、この権利をめぐって相続人間や第三者との間でトラブルが発生することがあります。
遺留分侵害が問題となるケースは感情的な対立を招きやすいため、冷静かつ適切に対応することが重要です。
以下では、遺留分トラブルの典型的な例とその対処法について解説します。
このページの目次
1. 遺言書による偏った分配
トラブルの内容
- 被相続人が遺言書で特定の相続人や第三者に全財産を譲渡する内容を記載していた場合、他の相続人の遺留分が侵害されることがあります。
- 特定の相続人が不動産や預金の大部分を受け取り、他の相続人がほとんど相続できない場合。
具体例
- 遺言書に「自宅不動産と預貯金は長男にすべて譲る」と記載され、次男や長女が何も受け取れない。
対処法
- 遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求を行い、自分の取り分を確保できます。
- 弁護士に依頼して請求手続きや交渉を進めることで、トラブルを早期に解決できます。
2. 生前贈与による不公平
トラブルの内容
- 被相続人が生前に特定の相続人や第三者に財産を贈与し、他の相続人が遺産分配で不利益を被るケースです。
- 遺産総額に含まれるべき生前贈与の財産が適切に反映されていない場合もトラブルの原因となります。
具体例
- 被相続人が次女に自宅を生前贈与していたが、その価値が遺産総額に含まれていない。
- 生前に長男に高額な現金を贈与していたが、他の相続人がその事実を知らない。
対処法
- 贈与財産の調査: 贈与の時期や価値を正確に把握し、遺産総額に計上します。
- 遺留分侵害額請求: 贈与財産が遺留分を侵害している場合、受贈者に対して請求できます。
3. 財産評価の争い
トラブルの内容
- 不動産や株式などの評価が相続人間で一致しない場合、遺留分請求額を巡る争いに発展することがあります。
- 特に不動産は市場価格や相続税評価額が異なるため、評価額に差が生じやすいです。
具体例
- 被相続人が遺した不動産について、相続人Aは「市場価格で計算すべき」と主張し、相続人Bは「相続税評価額で計算すべき」と対立。
- 株式の評価額が相続時点と遺留分請求時点で大きく変動している。
対処法
- 専門家の意見を採用: 不動産鑑定士や税理士による適正な評価を基に調整を図ります。
- 弁護士の介入: 法的根拠に基づいて請求額を整理し、交渉を円滑に進めます。
4. 請求期限を巡るトラブル
トラブルの内容
- 遺留分請求には期限がありますが、その開始日を巡って争いになるケースがあります。
- 相続人が「遺留分侵害を知った日」が不明確な場合や、請求のタイミングにズレがある場合です。
具体例
- 遺言書が発見された日が遅れたため、遺留分請求の期限が迫っているが、他の相続人が請求を拒否。
- 被相続人が死亡した日から10年が経過しており、請求権が消滅していた。
対処法
- 期限内に行動: 遺留分請求は、侵害を知った日から1年以内、または被相続人の死亡から10年以内に行う必要があります。早めの相談が重要です。
- 裁判所への申立て: 期限内に調停や訴訟を開始することで請求権を確保します。
5. 感情的な対立
トラブルの内容
- 遺留分請求は、家族間の感情的な対立を招きやすい問題です。請求を受けた相続人が「不公平だ」「権利を侵害された」と感じ、話し合いがこじれることがあります。
具体例
- 遺言書で財産の大半を受け取った相続人が、「自分が親の世話をしてきたのだから当然」と主張し、他の相続人と衝突。
- 遺留分請求を受けた相続人が「自分の取り分を減らされるのは納得できない」と反発。
対処法
- 弁護士を介した交渉: 感情的な対立を防ぎ、冷静で合理的な話し合いを進めます。
- 調停の利用: 家庭裁判所で調停委員が仲介し、公平な解決を図ります。
6. 第三者への贈与を巡るトラブル
トラブルの内容
- 被相続人が生前に親族以外の第三者に財産を贈与していた場合、その贈与が遺留分を侵害しているケースです。
具体例
- 被相続人が多額の財産を友人や知人に贈与していた。
- 特定の法人や団体に寄付をしており、他の相続人の遺留分が減少。
対処法
- 請求先の特定: 贈与を受けた第三者に対して遺留分侵害額請求を行います。
- 法的手続き: 交渉が不成立の場合、調停や訴訟で請求額の回収を図ります。
7. よくある質問への対応
Q
遺留分侵害を知った日がわからない場合はどうする?
A
遺言書が発見された日や、贈与の事実が判明した日を基準に計算します。弁護士に相談し、確実に期限内に請求を行うことが重要です。
Q
遺留分請求を受けたが支払いが難しい場合は?
A
分割払いを提案したり、調停を利用して相手方と支払い方法を話し合います。
8. 当事務所が提供するサポート内容
遺留分トラブルを解決するため、当事務所では以下のサポートを提供しています。
- 財産調査: 被相続人の財産を調査し、遺留分の適正額を算定します。
- 交渉代理: 感情的な対立を避けるため、弁護士が代理で交渉を行います。
- 調停・訴訟対応: 家庭裁判所での調停や裁判手続きを代理します。
- 財産評価の調整: 不動産や株式などの適正な評価を専門家と連携して行います。
9. まとめ
遺留分トラブルは、相続人間の感情的な対立や複雑な財産評価の問題が絡み、解決が難しいケースが多いです。
専門家のサポートを受けることで、トラブルを冷静に解決し、適正な権利を守ることができます。
遺留分トラブルでお困りの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。経験豊富な弁護士が迅速かつ適切な解決をサポートいたします。